= 暗黒時代編 =


岐阜から帰還後しばらくは鶴見に住んでいた。だから新子安のいすゞは近くて便利だった。親切なフロントの人も居た。 この頃は大きなトラブルもなく着々と走行距離をのばしていた。2ドアクーペの割には広いラッゲジを利用して引っ越しの手伝いをしたり、 厚木の山中にキャンプに行ったり、深夜の横浜港付近でかっ飛ばしてみたり。ある事情で引っ越さねばならなくなり、横浜の奥地に移転することとなり、 それでも新子安のいすゞに、と思って訪れてみると、JRに詳しかったフロントさんはすでに配置換えされていた。ちとがっくり肩を落とし、 引っ越し先に比較的近い横浜○営業所が主治医となった。

引っ越してまもなく、それまで屋内駐車場だった為気が付かなかったのかもしれないが、何となく大雨降るとフロアマットの下が湿っぽい、いや、濡れてる。 Aピラーの内装を剥がしてみると、なんだか錆びた水の流れた跡を発見。そこを示しつつ、雨漏り修理に出してみると、運転席側ドア全体の ウエザーストリップ交換で4万円のご請求。『これで大丈夫です!』のフロントの胸を張った一言で、やや首を傾げつつも車を受け取り帰路に就く。 その夜から次の日にかけて、幸か不幸か大雨が降った。翌日の夜、所用の為に車に乗り込み、運転席下に手を入れて、うっすらと湿ってることを確認。 やっぱ治ってないじゃ〜んと思いつつもドアを閉め、エンジンをかけ、サイドブレーキを戻そうとしたその瞬間、助手席足元に見慣れない輝きが。 そっと手を伸ばすと、漆黒の輝きの中にすぅっと手が入り込み、あろうことか『ちゃっぷん』とまで言い放つ始末。思わず金魚が飼えそうなくらいな 水量で水が溜まっていた。翌日朝一番で、その状態の車を営業所に持ち込み、クレームつけまくった。いまならクレーマと言われたかも知れない。 フロントは修理内容を熟知していなかったらしく、平身低頭謝っている。とりあえず車を預け、仕事に向かった。 それから1週間が過ぎた。状況報告の電話もない為、こちらから電話してみると、件のフロントマンが只今作業中でしてモゴモゴと、どうにも煮え切らない。 『なんかあったんですか?』と問いつめてみると白状しやがった。『すみません、フロントウインドウ割っちゃったんです。』だと。 あ〜あ、やっちまったのかい。なんでだ?へ?若手がドライバでこじったら割れた?ガラス屋にやらせるとか行ってなかったかい? ともかく、少々跳ね石で傷が入っていたウインドウは新品に。運転席側のウエザーストリップ代もタダに。まぁしょうがない、覆水盆に返らず。(違う)

その後、その横浜の奥地在住時期は暗黒時代だった。自宅駐車場でバックしてきたRVに乗り上げられるは、近所で前からオカマ掘られるわ、ベンツに横から当たられるわ。 いずれの修理もウインドウの一件でやけに態度が良くなった横浜○営業所にて迅速に行われた。しかしこうも短期間にボンネット2回も交換するかな。 整備書も取ってくれたし(あたりまえか)、律儀にキャンペーンのハガキもくれるし(これもあたりまえか。でも新車は買わないぞ)いろいろわがままも 聞いてくれた。しかし、そのちょっと前から悩みだったアイドリングの息継ぎや低回転でのエンスト、少し滑り出したAT等いろいろ相談していると、 どうもその営業所の整備に技術的に自信がなさそうってのが解ってきた。若手がトラックばっかやってて、乗用車、特にJRは全然ダメらしい。 古くからいた人は人員整理や配置転換でどんどん居なくなって、工賃はともかくこちらの納得行く整備や修理がしてもらえないんじゃないかって気がしてきた。 ましてやそろそろ10万キロに手が届きそうだった為、エンジンのオーバーホールをしたかった。見積もりは30〜40万。ATのオーバーホールも入れると 70万コースだそうな。70万かけて納得行く整備されなかったら腹立たしい。それにちと最近雑誌やらで少しは高年式のPIAZZAが70〜80万で売っている。 悪魔の誘いが頭をよぎりはじめていた。そう、買い換えという悪魔が。暫くは中古車雑誌を買い漁る日々が続いた。残念なことに今ほどPIAZZAに関する情報を 多く持っていなかった為、埼玉方面の某社も戸塚方面の某社も知らなかった。PIAZZA-MLの存在も知らず、WEBでは海外のサイトばかりがひっかかった。そんなときにちょっとした話が耳に入った。 オヤジの知り合いの自動車整備工場の社長がロータス好きでスーパー7に乗っていたらしい。聞くとレストア中心の工場で、旧車を多く扱っているらしい。 半ば冗談半分で『おいらのロータスも見てくれるかなぁ』と言ったら、ひょうたんからコマである。『面白いからやってあげるよ』と。コレ幸いと会いに出かけた。


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